タロットカードの種類
市販されているタロットカードの種類は、数百種類にもなります。
占い目的のものもあれば、コレクションアイテムになるものもあります。
その中でも、占いに使用される代表的なタロットカードには、大まかな分類がなされています。
ヴィスコンティ版
(*画像はイメージです)
現存する最も古いタロット。
中世イタリアのヴィスコンティ家に伝わるもので、婚礼や爵位継承などの祝い品として作られたと考えられています。
いくつかのバージョンが存在するようですが、完全な枚数や種類は詳しくは分かっていません。
マルセイユ版
16世紀~18世紀頃までのヨーロッパで制作されたタロット。
フランスのマルセイユで作られたことからマルセイユ版と呼ばれており、木版画調のシンプルな絵柄が特徴です。
このマルセイユ版以前のタロットを大きな括りで「オールドタロット」「クラシックタロット」と分類されています。
また当時のタロットは、小アルカナの数札が各スートのシンボルと数だけであり、これがトランプの元になったのではと言われています。
ライダー版(ウエイト版)
別名「ウエイト版」とも言われています。
1910年にウエイト博士が魔術結社「黄金の夜明け団」に在籍中に、それまでのタロットに独自の解釈やシンボルを加えて創作したタロットカードです。
当初、ロンドンのライダー社から発売された事からライダー版と呼ばれるようになりました。
それまで数だけで表現されていた小アルカナ56枚に、占い的解釈を表現した絵を加えた事が特徴です。軽やかな色調、喜怒哀楽が描かれた絵柄、これによりタロットの象意がより分かりやすくなりインスピレーションやイマジネーションを引き出してくれます。
ウエイト系
ライダー版を基本デザインとし、アレンジを加えたタロットカードの事をウエイト系と分類しています。
現在流通している半分以上がウエイト系に入っているほど人気のあるデザインです。
エッティラ版
(*画像はイメージです)
かなり特殊なカードに分類されます。
18世紀フランスの占い師ジャン・バプティスト・アリエットが、「タロット誕生エジプト起源説」に基づいて制作したものです。
古代エジプトの叡智が詰まった神秘的な書であるという観点から、独自の秘教的絵柄や解釈が盛り込まれています。
エジプト系
中世期の研究家クール・ド・ジュプランの「タロット誕生エジプト起源説」が元になっているタロットをエジプト系と分類する場合があります。
その中で最も重要なカードが「グランド・エッティラ版」です。
(*画像はイメージです)
トート版
(*画像はイメージです)
ウエイト博士と同じく秘密結社「黄金の夜明け団」のメンバーであり、20世紀最高の魔術師アレイスター・クロウリーが制作したタロットカードです。
彼のインスピレーションを弟子で画家でもあるフリーダ・ハリスという女性が描き起こしました。
独特の色彩とタッチ、絵画のような美しさと妖しさ、が人々を惹きつけます。
クロウリーはウエイト博士が嫌いだったようで、ウエイト版を参考にはしていますが、デザインの基本はマルセイユ版を元にしています。
魔術系・カバラ系
19世紀後半~20世紀前半に魔術結社「黄金の夜明け(ゴールデン・ドーン)団」が栄えました。
黄金の夜明け団にはタロットを作るためのメソッドがあり、カバラ思想や魔術的思想を盛り込んだタロットカードが多数誕生しました。その中に「ライダー版」や「トート版」が含まれます。
その他、「ゴールデンドーンタロット」「光の教団タロット」「生命の木タロット」などがこの魔術系・カバラ系の分類に入ります。