タロットの歴史
タロットを使うのに歴史を学ぶ必要は無いかもしれません。
しかし歴史を学ぶことで、カードの理解もより深いものになるはずです。
そして、もしプロを目指したいと考えている方がいましたら、是非学ぶ事をおすすめします。
多様な知識の積み重ねは視野も広がります。
起源不明
私達がタロットと呼ぶカードの起源については、実は明確な発祥を示す文献は無いと言われています。
タロットを教える流派や系統によって様々な解釈がなされています。
- 古代エジプトの秘儀
- ジプシー起源
- ユダヤ・ヘブライ教「カバラ」
- ソロモン王の秘儀
など、様々な説が上がっています。
現状では「大アルカナ」と「小アルカナ」は元々の発祥は別なのではないかと言われています。
- 大アルカナの起源はエジプトからバビロニアくらいの中近東
- 小アルカナは古代中国でギャンブルやカードゲームに使用されていたカード
ある時期にこの2つが合流して今の「タロット」というスタイルになったと考えられます。
ただ、なぜ合流したのかは不明です。
そして、なぜ起源が不明になるのかの理由の一つにキリスト教の宗教弾圧があります。
13世紀~15世紀くらいの異端弾圧が盛んだった頃、邪悪崇拝のためのカードという告発があり、ヨーロッパ各地でカードを禁止・没収したようです。
第1次タロット革命
ルネッサンス期(1300年くらい)に出現しはじめたタロットですが、1800年代まではジプシーが細々とタロットを伝えていたくらいで、それほど目立ったものではありませんでした。
それが、突如1888年に表舞台に復活し重要なツールとして浸透していきました。
- トートの書
- エジプト
- カバラ
などから、関連したタロットカードが生み出されました。
魔術結社「黄金の夜明け(ゴールデン・ドーン)」が結成されたのもこの時期です。
「タロットはカバラ(ユダヤ・ヘブライの奥義)を絵解きしたもの」と主張した事がきっかけでタロットの研究は急激に発展し、様々なタロットが作成されていきます。
この時期に圧倒的な主流となったのが「ライダー版タロット」です。
第2次タロット革命
1980年代アメリカでニューエージ・ムーブメントの発生により新しい精神世界の改革が行われていきました。
それにより「科学、社会学、心理学、精神医学」などの業界もニューエイジ・ブームメントに触発され様々な様式を展開させていきます。
タロットに心理学や精神医学などの新しい解釈を盛り込み、カバラのような宗教的概念から切り離された「現代版タロット解釈」という提議がなされました。
占いや魔術とは違う、カウンセリング系タロットセラピーの原型が作られた時期です。
ただ、第2次タロット革命以降の伝承は日本にほとんど流れてきませんでした。
なので、日本で行われているタロット教育は第1次タロット革命の流れを汲むカバラ系の解釈がとても強いです。
第3次タロット革命
1992年イギリスで第2次タロット革命をより発展させた「ユニバーサル・カバラ」を元にする体系を確立します。タロットの世界観を立体的な仕組みとするものです。
占い・哲学・魔術だけでなく人間の価値観を変革するスタイルで、「ガレスナイト派」と言い精神世界の新しい主流になっています。
ガレスナイト派で教義に使用するメインタロットは「トート・タロット」と定めました。
アメリカやイギリスでトート版を使用する人が多い理由でもあります。
日本では第2次タロット革命以降の新タロット流派はほとんど流れてきていません。
ただ、オーラソーマという新しいセラピーが誕生してから、タロットセラピーというスタンスも確立されて大きな流れになっています。オーラソーマタロット、禅OSHOタロット、などがそれにあたり、オーラソーマと共に日本に流れてきています。
また、日本でもスピリチュアルタロットセラピー、タロットチャネリングなどが新しく生まれてきています。
日本でのタロットの歴史
日本にタロットが伝わったのは1964年(昭和39年)とされています。
ライダー版タロットが占いに使用されていました。
イギリスの伝統的スタイルが伝わってきたため、このスタイルが最も正統なスタイルと日本人は認識している傾向があります。
欧米では1980年代に新しいスタイルが生まれ、タロット技術も進化しています。
日本スタイルは伝統や格式を重んじる昔ながらのスタイルという事になります。